息子の奇怪な行動を言語学で正当化しているこのシリーズ。
「こんなブログ、いったい誰が読むのだろう」と思いながら細々と書いているのだが、先日参加した学会で、何名かの方に「言語学な育児日記を書いている方ですよね?」「ブログ読んでます!」と声をかけていただいた。こんなニッチな読み物を読んでくださっている方がいるのか…!と、たいへん感動した。
お付き合いくださっている皆さん、本当にありがとうございます m(_ _)m
さて、今日は息子の奇行シリーズではない。
ただ、子育て × 言語学つながりということで、谷口ジョイ先生の『ある言語学者の事件簿』をご紹介したい。
毎年授業で学生に「先生の推しはいますか?」と聞かれるのだが、(授業内容とも関連づける意図で)私はいつも「ウィリアム・ラボフが推しです」と答えている。
ついに先学期は「え…メガネおじが好きなんですか?」と引き気味に聞かれてしまったのだが、そういうことではない。
もちろん、推しは他にもたくさんいる。
Facebook COOであり Lean In の著者でもあるシェリル・サンドバーグ氏。
私の生活のなかで、一時期ほぼ唯一の眼福だった『おかあさんといっしょ』の体操のおにいさん。
そして今回ご紹介したい、方言学者の谷口ジョイ先生である。
谷口先生は、3人のお子さんを育てながら静岡の方言を研究されている。その育児とキャリアの両立の奮闘が、『ある言語学者の事件簿』には赤裸々に綴られている。
仕事、研究、育児について、痛快な筆致で書かれていて、読みながら首がもげるのではないかと思うくらいうなずいた。
寝かそうと思えば思うほど寝ない子ども。
夜逃げレベルの荷物の量。
華やかに見えて、実際にはとてつもなく地道な研究活動。
アカデミアの業界裏話。
どれもめちゃくちゃ笑えるし(電車で読むのは危険)、めちゃくちゃ共感できるし、「自分も頑張ろう」と思わせてくれる。まさにビタミン剤のような本である。
研究者でなくても、何かを両立しながら頑張っている人や、育児に日々疲弊しているワーママには絶対に刺さると思う。
なお、随所で登場する谷口先生の旦那様が、あまりにもイケメンすぎる。
うちの夫もそれなりに協力的なほうだと思っていたのだが、谷口先生の旦那様を前にすると、もはや爪の垢どころの話ではない。旦那様の生活圏に落ちているあらゆるの成分を余さず回収し、煎じて夫に一気飲みさせたいレベルで素敵である。
というわけで、素敵なパートナーに飢えている皆様、素敵なパートナーになりたい皆様、にもぜひ本書をおすすめしたい。
ちなみに、先日の学会には谷口先生もいらっしゃっていて、なんとサイン会まで実施されるではないか。
ということで、私はサイン会の1時間以上前から、会場の書店販売エリアのあたりをうろうろし、開始時間が近づくにつれてソワソワし、「何を言おう……!」と考えまくった。
その結果、実際に口から出たのは
「でへへ、本当に面白いです、大ファンです」
的な、中身のない言葉だけだったのだが、無事にサインはゲットできた。
しかも、サインの余韻に浸りすぎてうっかり写真を撮り忘れ、もう一度列に並び直して撮っていただいた写真がこちらである。

(掲載許可いただいてます)
本を握りしめながら携帯の写真を見てニマニマしている35歳BBAが、周囲にどう見えていたのかはわからない。
ただ少なくとも、大学院時代の同胞たちには「幸せそうで何よりだよ」という、生暖かい目で見守られていた気がする。
最近モチベーションが上がらないな、とか。
最近あまり笑っていないな、とか。
ああ寝かしつけ疲れた、少しくらい自分の時間がほしい…という方には、ぜひ今すぐオンラインでポチッとして、『ある言語学者の事件簿』を手に取っていただきたい。
とんでもなく楽しい読書タイムとなることをお約束する。